「インフルエンサーマーケティングが重要と聞き、フォロワー数が多い方にギフティング(商品送付)を続けている。しかし、熱意ある投稿になかなか繋がらない…」
「コストをかけて商品を送っているのに、インフルエンサーに本当に喜んでもらえているのか分からない」
もし今、インフルエンサー施策にこのような手応えのなさを感じているなら、その原因はあなたの商品やブランドの魅力不足ではありません。
その「熱い想い」を「届ける相手」と「届け方」にミスマッチが生じているからかもしれません。
私たちファーストテンプルは、これまで500社を超える消費財メーカー様のマーケティングに「伴走パートナー」として携わってきました。その中で、素晴らしい商品と情熱がありながらも、ノウハウやリソースが足りずにその想いが空回りしてしまう状況を、数多く目の当たりにしてきました。
インフルエンサーマーケティングにおける「ギフティングの効果が出ない」という悩みも、その典型的な例の一つです。
この記事では、多くの担当者が見落としがちなギフティングの本質と、インフルエンサーの心を本当に動かすための「スカウティング」思考について、具体的なステップを交えて解説します。
なぜ、あなたのギフティングは「空振り」に終わるのか?9割の企業が陥る“選定のワナ”
成果に繋がらないギフティングには、いくつかの共通した「ワナ」が存在します。
それは、インフルエンサーを「パートナー」ではなく「広告枠」として捉えてしまうことから始まります。
パターン1:「フォロワー数=影響力」という幻想
最も陥りがちなのが、「フォロワー数」という表面的な数字だけで依頼先を選定してしまうケースです。
フォロワー数だけを基準にしたインフルエンサー選定は、いわば「差別化なき消耗戦」を仕掛けている状態です。
フォロワーが10万人いても、その大半が非アクティブユーザーであったり、フォロワーの興味があなたの商品とズレていれば、影響力は発揮されません。
パターン2:「タダで商品を送れば投稿してくれる」という期待の落とし穴
人気インフルエンサーほど、毎日何十件ものギフティング依頼DMが届きます。
その多くが、自身やフォロワーの関心と関係のない商品です。
一つの投稿には、理解・撮影・編集と多大な時間と労力が必要。
その背景を無視して「送るから投稿して」と依頼しても、対等なパートナーとは見なされず、「その他大勢のDM」として埋もれてしまいます。
インフルエンサーが「投稿しない理由」に隠された突破口への思考法
では、どうすればこの「空振り」から抜け出せるのでしょうか。
突破口は「インフルエンサーの本音」に応えることにあります。
思考法1:インフルエンサーの「本当の顧客」はフォロワーである
インフルエンサーにとっての「本当の顧客」は、依頼主であるブランドではなくフォロワーです。
彼らが最も大切にしているのは「フォロワーの信頼」。
興味のない商品を紹介することは、その信頼を損なう行為です。
インフルエンサーが本当に喜ぶのは「フォロワーが喜ぶ情報を自信を持って提供できること」。
この前提を理解していない限り、どんなに魅力的な商品でも響きません。
思考法2:「投稿しない本音」こそが最高の戦略ヒントになる
「私のフォロワーはこの商品に興味ないと思う」
「ブランドの熱意や商品の良さが伝わってこない」
——これらは拒否ではなく“ヒント”です。
彼らが求めているのは、「フォロワーに紹介する理由」と「ブランドの背景にある物語」です。
それを提示できたとき、初めて信頼が生まれます。
明日から試せる「本当に喜ばれる」スカウティング3ステップ
「ギフティング(Gifting)」には「配る」という一方通行のニュアンスがあります。
これからの時代は「スカウティング(Scouting)」——つまり「仲間を探す」視点が必要です。
ステップ1:「ギフティングリスト」を捨て、「スカウティングリスト」を作る
「誰でもいいから送る」ではなく、「この人でなければならない理由」から逆算。
フォロワー数ではなく、ブランドとの親和性を基準に選定しましょう。
ステップ2:AIツールで「フォロワーの質」を可視化する
AI分析でフォロワーの興味関心・アクティブ率・年齢層を把握。
「この人のフォロワーなら、この商品の○○に共感してくれるはず」という仮説を立てることが第一歩です。
ステップ3:「なぜ、あなたなのか」を熱意ある言葉で伝える(DM文例)
(DM例)
「いつも〇〇に関する素敵な投稿を拝見しております。私たちの新商品〇〇は、『(特徴)』にこだわって開発しました。〇〇様のフォロワー様は〇〇に関心が高いと拝見し、この商品の想いを喜んでいただけるのではと思い、ご連絡いたしました。」
データ+熱意の両輪で、「その他大勢のDM」から「自分に届いた特別な依頼」に変わります。
ブランドとインフルエンサー、二つの「熱い想い」を成果に繋げるために
インフルエンサーが本当に喜ぶギフティングとは、商品の無料提供ではなく「フォロワーが喜ぶ理由」を共有すること。
ブランドの「届けたい想い」と、インフルエンサーの「価値ある情報を伝えたい想い」。
この二つがデータによって結びついたとき、熱狂的なUGCが生まれます。
もしこの記事を読んで、「数撃てば当たる」施策から脱却し、共感を軸にしたスカウティングへ転換したいと感じたら、ぜひ私たちにご相談ください。
ファーストテンプルは、情熱あるブランドの「かけこみ寺」として、インフルエンサー選定からSNS運用、動画制作までを伴走します。

