「インフルエンサーへのギフティング、投稿タイミングは朝と夜、どちらが効果的なのか?」
「投稿のタイミングは、インフルエンサー本人に任せるべきか、それとも細かく指定すべきか?」
もしあなたが今、インフルエンサー施策の効果を最大化するために、こうした「正解」を探して立ち止まっているのであれば、ぜひ少しだけ視点を変えてみてください。
私たち(ファーストテンプル)も過去、素晴らしい情熱を持って立ち上げられたブランドが、資本力のある大手と同じような施策(例えば、効果測定が曖昧なままの大量ギフティング)を行い、成果が出ないまま疲弊していく姿を目の当たりにしてきました。
その多くの浮沈を見てきた中で、私たちが確信したことがあります。
それは、施策の成果は「投稿タイミング」のような戦術ではなく、「誰の、どの感情を揺さぶるか」という戦略設計の時点で、すでに9割が決まっているということです。
この記事では、「投稿タイミング」という細かな調整に悩む前に、あなたのブランドの成果を最大化するために本当に問うべき「本質的な質問」について、私たちの経験を交えて解説します。
なぜ、あなたのギフティングは「効果なし」で終わるのか? 多くの企業が陥る“3つのワナ”
限られた予算の中でインフルエンサー施策を行う際、なぜ多くのギフティングが「空振り」に終わってしまうのでしょうか。
それは、知らず知らずのうちに「資本を浪費するだけの消耗戦」に陥るワナが存在するからです。「投稿タイミング」の議論に終始することは、まさにその表層的なワナの一つと言えます。
ワナ①:「フォロワー数」という“幻想”のワナ
まず陥りがちなのが、「フォロワーが多い=影響力がある」という固定観念です。これはインフルエンサー選定における典型的な失敗例です。
フォロワー数が10万人いても、その実態がブランドのターゲット層と全く異なっていたり、アクティブなユーザーがほとんどいなかったりすれば、ギフティング(商品の無償提供)は無関係な層に商品をばら撒くだけに終わってしまいます。
私たちがインフルエンサーのスカウティングでAI分析を重視するのは、まさにこのワナを避けるためです。重要なのはフォロワーの「量」ではなく、そのインフルエンサーが「どんな興味関心を持つ」「どれだけ熱量の高い」フォロワーに支持されているかという「質」に他なりません。
ワナ②:「認知拡大」という“目的化”のワナ
「とにかく知ってもらえれば売れるはず」という考え方も、危険な落とし穴です。
「投稿タイミング」を最適化して一時的にリーチ数(表示回数)が増えたとしても、その情報が読者の「欲しい」という感情を喚起するものでなければ、ザルで水をすくうように情報は流れ去っていきます。
私たちが定義するマーケティングとは、単なる認知拡大ではなく「『欲しい』の創造」です。インフルエンサー施策は、その「欲しい」を生み出すための戦略的な一手でなくてはなりません。
ワナ③:「他社と同じ」という“安心”のワナ
「競合ブランドが、あのインフルエンサーを起用していたから」
「流行っているから、うちも同じようなギフティングを依頼しよう」
こうした他社の安易な横展開は、「安心」と引き換えにブランドの「差別化」を失う行為です。
私たちは過去、限られた資本のクライアント様に対し、大手と同じような「当たり前の戦略」を提案してしまった結果、消耗戦に巻き込み、成果を出せなかった痛恨の経験があります。その教訓から、「差別化なき戦い」がもたらすリスクを誰よりも重く受け止めています。
視点を変えれば、突破口は見つかる – ギフティング効果を高めた「2つの思考法」
では、「投稿タイミング」のような戦術論から抜け出し、成果に繋げるためには、どのような視点が必要なのでしょうか。
ここで、私たちが実際に成果を上げてきた「2つの思考法」をご紹介します。
思考法1:「インフルエンサー施策」を「流通戦略」として捉え直す
もし、あなたのブランドがドラッグストアなど実店舗での販売も行っている場合、この視点は特に重要です。
私たちはかつて、あるドラッグストアコスメブランドの支援において、業界の常識であった「マーケティング=消費者向けプロモーション」という固定観念を疑いました。
そして、ビジネス成功の鍵を握る「本当の顧客」は、棚の生殺与奪権を持つ「流通バイヤー」であると再定義しました。
この思考を応用するならば、インフルエンサー施策も単なる「消費者に広める施策」ではありません。
「この施策は、バイヤーの棚(スペース)を確保するために、これだけの熱量(UGC=ユーザー生成コンテンツ)を生み出すための戦略だ」
このように定義し直すだけで、選ぶインフルエンサーの基準も、依頼する内容も、そして計測すべき成果(KPI)も全く変わってくるはずです。
思考法2:「顧客が本当に聞きたいストーリー」から逆算する
次に、「インフルエンサーに何を語ってもらうか」を再設計する視点です。
あるD2Cヘアケアブランドの立ち上げ時、業界の常識は「白髪ケアは、悩みやコンプレックスを煽るネガティブな訴求」が効果的というものでした。
しかし、私たちがターゲット顧客の「本音」を深くヒアリングすると、そのネガティブな訴求自体に嫌悪感を抱いていることが判明しました。顧客の隠された本音は「ポジティブな気持ちで悩みを解決したい」だったのです。
私たちは社内の推奨案を却下し、「悩みを心地よく解決し、ポジティブな未来を手に入れる」という全く新しいメッセージを軸に据えました。この戦略が市場に熱狂的に受け入れられ、ブランドはローンチ後わずか半年で約20万人の購入者を獲得しました。
インフルエンサー施策も同様です。単に「商品特徴」を語らせるのではなく、顧客の「不満・不安」に寄り添い、ブランドが持つ「熱い思い(開発ストーリー)」を代弁してもらう「伴走パートナー」として捉え直すことが、結果に繋がる重要な鍵となります。
明日から、あなたのチームで試せる「最初の一歩」
「投稿タイミング」の議論から脱却し、戦略的な思考を始めるために、明日から試せる具体적인アクションを2つご紹介します。
アクション①:自社のギフティングリストを「質」で再評価する
現在使用している、あるいは検討しているインフルエンサーのリストを取り出してみてください。
そして、「フォロワー数」の欄の横に、AI分析ツールなどを活用して「フォロワーの主な興味関心」や「アクティブ率」を書き出してみましょう。
そのインフルエンサーのフォロワー層は、本当に自社のターゲット層と一致しているでしょうか?
見かけの数字(フォロワー数)に惑わされ、ターゲットではない層に貴重な商品をギフティングしていないでしょうか?
この「質」によるインフルエンサー選定の見直しこそが、戦略的なスカウティングの第一歩です。
アクション②:既存の「ブログ記事」を「動画」に変換してみる
戦略的なコンテンツ(動画制作)を試したいけれど、コストや手間が…と悩む必要はありません。
もし御社に、過去に蓄積した「ブログ記事」や「テキスト資産」があれば、それが強力な武器になります。
AIツール(例えば「Vrew」など)を活用すれば、それらのテキストを読み込ませるだけで、AIが自動でナレーションとテロップ入りの動画シナリオ(のタタキ台)を生成してくれます。
まずはこの方法で、低コストかつスピーディーに「戦略的な動画コンテンツ」を試し、どのメッセージが顧客に響くのかをテストしてみてはいかがでしょうか。
あなたのブランドが持つ「熱い思い」を、届けるべき人に届けるために
インフルエンサー施策における「最適な投稿タイミング」とは、固定された「正解」ではありません。
「誰に(思考法1・アクション1)」
「何を(思考法2・アクション2)」
この2つの戦略的な問いの答えによってのみ、導き出されるものです。
「資本が足りない」「ノウハウがない」と、戦術レベルで悩む必要はありません。私たちファーストテンプルは、そうした熱い思いを持つ企業様が駆け込める「かけこみ寺」でありたいと願って創業しました。
戦略の「視点」を変えさえすれば、あなたのブランドが持つ「熱い思い」や「ストーリー」は、必ずビジネスを前進させる力になります。
もしこの記事を読んで、自社のインフルエンサー施策(ギフティング)やSNS運用(SNS運用支援)、動画制作を、もう一度「戦略」から見つめ直したいと感じたら。
あるいは、思考を整理するための客観的な視点(コンサル)が必要だと感じたら。
ぜひ一度、私たちの無料相談をご活用ください。私たちは、大手代理店が相手にしないような小さな悩みにも真剣に向き合う「かけこみ寺」です。あなたのブランドの伴走者として、一緒に突破口を探します。

