「@cosmeの評価は高い。インフルエンサーの投稿でも『良い』と言われている。なのに、なぜか売上が伸び悩んでいる…」
もし今、あなたがそんな出口の見えないトンネルの中にいるのなら、少しだけ私たち(株式会社ファーストテンプル)の過去の話にお付き合いください。
かつて私たちにも、熱い想いのこもったクライアント様の製品を、目前で資金ショートさせてしまった痛恨の経験があります。
その原因は、決して努力不足ではありませんでした。それは、戦うべき”場所”と”戦い方”そのものが、間違っていたからなのです。
この記事では、多くの化粧品メーカーが陥りがちな思考のワナを解き明かし、口コミの裏に隠された「顧客の本音」から逆転の戦略を導き出すための具体的な思考法を、私たちの成功と失敗の経験からお伝えします。
なぜ化粧品が売れない?多くのメーカーが陥る“2つの思考のワナ”
真面目で情熱のある企業ほど、知らず知らずのうちに資本力のある大手と同じ土俵に引きずり込まれ、厳しい消耗戦を強いられているケースは少なくありません。
成果の出ない施策に共通する「思考のワナ」を共有します。
ワナ①:「良いモノを作れば伝わるはず」というプロダクトアウトの限界
「これだけこだわって作ったのだから、良さは伝わるはずだ」
作り手として、そう信じたい気持ちは痛いほど分かります。
しかし、現代の消費者は、単なる商品の機能的な良さだけで購買を決めているわけではありません。
情報が溢れかえる市場において、機能的価値だけを真面目に訴求しても、その声は無数の競合製品の中に埋もれてしまいます。
消費者の心に響くのは、機能を超えた「なぜ、このブランドでなければならないのか」という、感情的なつながりや共感できるストーリーなのです。
ワナ②:「とにかく認知を広げなければ」という広告至上主義の落とし穴
「売れないのは、認知が足りないからだ。もっと広告を打たなければ」
この考え方も、特にリソースが限られている企業にとっては危険なワナとなり得ます。
潤沢な資本を前提とした広告戦略は、中小企業にとっては撤退への片道切符になりかねません。
過去に私たちも、限られた資本のクライアント様に対し、教科書通りのマーケティングを提案し、結果的に大手との消耗戦に巻き込んでしまった苦い経験があります。
この失敗から、「資本効率を最大化する戦略こそが正義」だと学びました。
認知獲得が、必ずしも売上に直結するとは限らないのです。
売上を伸ばす突破口は視点の転換にある。100億円ブランドを育てた「2つの思考法」
では、どうすればこのワナから抜け出せるのでしょうか。
私たちがクライアント様と「伴走」する中で見つけ出した、厳しい市場を勝ち抜くための思考のフレームワークがあります。
それは、派手な最新戦術ではなく、事業の”急所”を見抜くための、至ってシンプルな2つの「視点」です。
思考法1:あなたの「本当の顧客」は、エンドユーザーだけですか?
あるドラッグストアコスメブランドの支援では、3年で売上を100億円規模にまで成長させるお手伝いができました。
この成功の裏にあったのは、一般的な「マーケティング=消費者向けプロモーション」という固定観念を一度疑ってみたことでした。
ドラッグストアというビジネスモデルにおいて、最終的な売上を左右する最重要顧客は誰か?
それは、商品の棚を確保する生殺与奪権を持つ「流通バイヤー」です。
消費者の間でいくら話題になっても、バイヤーの心を動かせなければ商品は店頭に並ばず、売上は絶対に作れません。
私たちは、消費者向けのプロモーション(BtoC)と並行し、バイヤーの意思決定に影響を与えるためのマーケティング戦略(BtoB)を最優先で実行しました。
「誰に認められれば、売上への最短距離を走れるのか?」
この問いが、戦略のすべてを再構築するきっかけとなったのです。
思考法2:最高の戦略は「@cosmeのネガティブな口コミ」に眠っている
あるD2Cヘアケアブランドの立ち上げでは、ローンチ後わずか6ヶ月で約20万人の新規顧客を獲得するという大きな成果を出すことができました。
この成功の鍵は、当時、白髪ケア商品の常識だった「悩みを煽るネガティブな訴求」を、社内の推奨があったにも関わらず完全に捨てたことでした。
その最大のヒントは、まさにレビューサイトに書き込まれた「広告が不快」「煽られている感じが嫌」という、顧客の“本音”でした。
私たちは、多くの企業が見過ごすその「買わない理由」の中にこそ、市場が本当に求めている「悩みを心地よく解決し、ポジティブな未来を手に入れたい」という巨大なチャンスを発見したのです。
明日からあなたのチームで試せる「売れない理由」を発見する第一歩
思考法がわかっても、具体的に何から手をつければいいか分からない。
そんなあなたのために、明日からすぐにチームで実践できる小さなワークショップをご用意しました。
30分でできる戦略ワークショップ
あなたのブランドについて、以下の問いに対する答えをチームで書き出してみましょう。
- 私たちの「本当の顧客」は誰ですか?
(例:お金を払うエンドユーザー、商品を広めてくれるインフルエンサー、店頭に並べる決定権を持つバイヤーなど) - レビューサイトの口コミを30件見て、「褒め言葉」ではなく、顧客が感じている「不満・不安・不便」を3つ書き出してください。
(例:「広告が不快」「期待したほどの効果が…」「パッケージが使いにくい」など) - その「不」を解消し、ポジティブな未来を提示するために、私たちが明日から発信できるメッセージは何ですか?
あなたのブランドが持つ「熱い思い」を、届けるべき人に届けるために
マーケティングとは、単にモノを売るための技術ではありません。
それは、「欲しい」という感情を創造し、企業と顧客の双方に心の豊かさをもたらす活動だと、私たちは信じています。
もし今、あなたの製品の価値が正しく伝わっていないと感じるなら、それは製品そのものに問題があるのではなく、
その「熱い思い」を届けるべき相手と、届けるための「言葉」が少しだけズレているだけなのかもしれません。
私たちは、そのズレを的確に修正し、あなたの情熱をビジネスの力に変える「かけこみ寺」のような存在でありたいと心から願っています。
もし、この記事を読んで、自社の戦略をもう一度深く見つめ直したいと感じたら。
あるいは、思考を整理するための客観的な視点が必要だと感じたら。
ぜひ一度、私たちの無料相談をご活用ください。
私たちは、あなたのブランドの成功を誰よりも信じる「伴走者」です。