「毎日投稿を頑張っているのに、一向に手応えがない…」
「フォロワー数やいいねの増減に一喜一憂して、結局何がしたいのかわからなくなってきた」
もしあなたが今、化粧品ブランドのX(旧Twitter)運用担当者として、このような悩みのループにはまり、立ち止まっているのであれば。その原因は、あなたの努力不足ではなく、戦う“場所”と“戦い方”を、知らず知らずのうちに間違えているからかもしれません。
私たちも過去、素晴らしい製品と情熱を持つクライアント様が、マーケティングの道筋を見失い、苦しむ姿を目の当たりにしてきました。その経験から断言できるのは、多くの企業が陥りがちなワナを避ける「視点」さえ持てば、Xは必ずやあなたのブランドを力強く成長させる武器になる、ということです。
この記事では、日々の投稿という「戦術」に忙殺される状況から抜け出し、売上貢献という「戦略」の視点を取り戻すための具体的な思考法を、成功事例を交えてお伝えします。
なぜあなたのX運用は売上に繋がらないのか?多くの担当者が陥る2つの罠
多くの情熱あるブランドが、なぜX運用で成果を出せずに疲弊してしまうのでしょうか。それは、知らず知らずのうちに、資本力のある大手と同じ土俵で戦う「差別化なき消耗戦」に足を踏み入れているからです。
かつて私たちにも、限られた資本のクライアント様に対し、潤沢な資本を前提とした「当たり前のマーケティング」を提案し、結果的に大手との消耗戦に巻き込み、撤退に追い込んでしまった痛恨の経験があります。このクライアント様への申し訳ない気持ちは、今も私たちの原点となっています。この苦い経験から見えてきた、典型的な失敗パターンを2つ共有します。
罠1:「良いモノだから、伝えれば売れる」という思い込み
Xを、新商品やキャンペーン情報を一方的に発信するだけの「お知らせアカウント」にしてしまうケースは少なくありません。「こんなに良いモノを作ったのだから、その良さを伝えさえすれば売れるはずだ」という作り手視点の情熱が、顧客不在の情報発信につながってしまうのです。
しかし、情報が溢れるタイムライン上では、顧客が「なぜそれが今、自分に必要なのか」という文脈で語られない限り、どんなに素晴らしい情報もノイズとして埋もれてしまいます。
罠2:「とにかく認知を広げなければ」という数の罠
フォロワー数やインプレッションといった「数字の魔力」に取り憑かれ、プレゼントキャンペーンを連発してしまうのも、よくある失敗パターンです。
一見、アカウントは賑わい、数字も伸びるかもしれません。しかし、結果として集まるのはブランドのファンではなく、「プレゼントの当選」にしか興味のないユーザーばかり、というケースも多いのではないでしょうか。これではブランドへの貢献は限定的で、ただただ担当者が疲弊していく消耗戦に陥ってしまいます。
100億円ブランドを育てたプロの思考法|X運用の目的を再設定する
では、どうすればこの消耗戦から抜け出せるのでしょうか。
答えは、投稿内容(How)といった戦術を変える前に、戦う目的(Why)と思考の前提(What)を根本から見直すことです。私たちが実際にクライアント様の事業を急成長させてきた、再現性の高い思考のフレームワークを2つご紹介します。
『Creatorスカウト』:特定のペルソナに影響力を持つインフルエンサーをデータに基づいて探し出し、直接アプローチすることで、無駄のない効果的な施策を実現します。

思考法1:BtoCの先を見据える|あなたの「本当の顧客」は誰か?
私たちはかつて、あるドラッグストアコスメブランドをご支援した際、業界の常識を疑うことから始めました。一般的なマーケティングでは、商品を実際に使う「生活者」が顧客です。しかし、ドラッグストアというビジネスモデルの本質を深く探求した結果、私たちは「棚の決定権を握る流通バイヤー」こそが最重要顧客であると再定義しました。
そこで、生活者向けのSNSでの話題作り(BtoC)と並行し、バイヤーの意思決定に影響を与えるための情報発信(BtoB)を最優先で実行しました。結果、ブランドは3年で売上100億円規模という急成長を遂げることができたのです。
さて、あなたのX運用の「本当の顧客」は誰でしょうか?
ぜひ、以下の3つの視点で考えてみてください。
- お金を払う人(購入者)
- 使う人(利用者)
- 広める人(インフルエンサー、熱心なファン)
Xの目的は、購入者に直接アプローチすることだけではありません。「広める人」を巻き込み、熱狂的な口コミ(UGC)を生み出すことで、結果的に購入者の心を動かす、という戦略的な視点を持つことが突破口になります。
思考法2:「買わない理由」にこそ、最高の戦略ヒントがある
あるD2Cヘアケアブランドの立ち上げをご支援した際、私たちは業界の”当たり前”に「NO」を突きつけました。当時、白髪ケア商品の訴求は「悩み」や「コンプレックス」を煽るネガティブなものが効果的、というのが定説でした。
しかし、実際にターゲット顧客の声を深くヒアリングすると、そのネガティブな訴求自体に嫌悪感を抱いていることが判明したのです。顧客の隠された本音は「ポジティブな気持ちで悩みを解決したい」でした。
私たちは社内で推奨されていたネガティブ訴求案を却下し、「悩みを心地よく解決し、ポジティブな未来を手に入れる」という全く新しいコンセプトを提案。このメッセージを軸に、すべてのコミュニケーションに一貫性を持たせた結果、市場から熱狂的に受け入れられ、ローンチ後わずか半年で約20万人の新規購入者を獲得するに至りました。
Xは、顧客の「買わない理由」や「隠れた本音(不満・不安・不便)」の宝庫です。「#コスメ購入品」といったポジティブな投稿を見るだけでは、本質は見えてきません。あえて「#〇〇(商品カテゴリ)_合わなかった」のようなネガティブな声にこそ、あなたのブランドが解決すべき課題と、顧客の心を掴むコミュニケーションのヒントが隠されているのではないでしょうか。
明日から実践できる、戦略を見直すための最初の一歩
思考法がわかっても、最初の一歩が踏み出せなければ意味がありません。ここでは、あなたのチームで明日からすぐに試せる、具体的で実践的なアクションをご提案します。
【簡単ワーク】3つの質問で、あなたのブランドの勝ち筋を探る
あなたのブランドについて、以下の問いに対する答えをチームで書き出してみましょう。
- 私たちのX運用における「本当の顧客(お金を払う人・使う人・広める人)」は、それぞれ具体的に誰ですか?
- その人たちがX上で抱える、最も根深い「不満・不安・不便」は何ですか?(商品についてではなく、カテゴリ全体やライフスタイルについて)
- 私たちはその「不」を解消するために、明日からどんな情報を提供し、どんな会話を始めることができますか?
例えば、施策の一つとして、既存のブログ記事やお客様の声を元に、AIツール(Vrewなど)を使って「お悩み解決」をテーマにした動画のシナリオを5分で作成し、投稿してみるのも良いでしょう。大切なのは、完璧な施策を一つ打つことより、小さな仮説検証をスピーディーに繰り返すことです。
あなたのブランドが持つ「熱い思い」を、届けるべき人に届けるために
本記事では、X運用が「お知らせ」の罠から抜け出し、事業に貢献するための2つの思考法、①「本当の顧客」の再定義と②「顧客の本音」からの戦略構築を提示しました。
もし戦術に迷った時こそ、原点に立ち返ってください。あなたのブランドが「この商品で世の中を良くしたい」と願う、その「熱い思い」こそが、最強の差別化要因です。私たちは、そうした情熱を持つ企業様が、大手と同じ土俵で疲弊することなく、自社ならではの戦い方を見つけられるよう、「かけこみ寺」のような存在として伴走したいと心から願っています。
視点を変えれば、必ず突破口は見つかります。
もし、この記事を読んで、自社の戦略をもう一度深く見つめ直したいと感じたら。あるいは、思考を整理するための客観的な視点や壁打ち相手が必要だと感じたら。ぜひ一度、私たちの無料相談をご活用ください。
私たちは、クライアント様の成功を「必ず成功させる」という信条を持つ、あなたの伴走者です。一緒に、あなたのブランドだけの勝ち筋を見つけましょう。