「インフルエンサーへのギフティングで、SNS上の投稿(UGC)は増えた。しかし、売上データに大きな変化はない…」
もしあなたが今、増え続けるUGCの前で「で、結局どうすれば?」と立ち止まっているのであれば、この記事はきっとお役に立てるはずです。
多くのコスメブランドのマーケティング担当者様が、同じ壁に直面しています。その原因は、決してあなたの努力不足ではありません。見るべき「指標」を、ほんの少し間違えているだけなのかもしれないのです。
この記事では、UGCの「数」という指標に囚われて失敗した私たちの過去の経験を踏まえ、UGCを本当に売上に繋げるための、新しい視点と具体的なアクションプランを解説します。
なぜUGCが増えても売上に繋がらないのか?多くの企業が陥る2つの罠
多くのリソースを投下したにもかかわらず、なぜか成果に繋がらない。その背景には、多くの企業が陥りがちな2つの失敗パターンが存在します。
罠①:「インフルエンサー=広告塔」という勘違い
「フォロワー数が多いから」という表面的な理由だけでインフルエンサーを選んでいないでしょうか。
フォロワー数はあくまで一つの指標に過ぎません。ブランドへの共感や熱意がないまま依頼された投稿は、たとえ数が多くても魂がこもらず、誰の心にも響きません。結果として、一時的な露出は得られても、購買という行動変容には至らないのです。
罠②:「UGCの数=成果」というKPI設定の罠
キャンペーンを実施し、UGCの「数」だけを追い求めてはいないでしょうか。もちろん数も重要ですが、その中身を分析しなければ本質は見えてきません。
- 本当にターゲットに届いているか?
- どのような文脈で語られているか?
- ポジティブな声か、それともネガティブな声か?
これらの「質」を見過ごしたままでは、たとえUGCが増えても、それがブランドにとって本当に良い状態なのかを判断することはできません。
私たちもかつて、潤沢な資本を持つ大手企業と同じようなマーケティング手法を提案し、クライアント様を消耗戦に巻き込み、撤退に追い込んでしまった経験があります。この経験から、私たちは「資本効率を最大化する戦略こそが正義」だと学びました。
視点を変えれば突破口は見える。UGCの成果を最大化する2つの思考法
では、どうすればUGCを真の成果に繋げられるのでしょうか。成功の鍵は、UGCを「数」ではなく「質」、つまり「ポジティブとネガティブの比率」で捉えることにあります。
思考法1:UGCの比率は、顧客の”本音”を映す鏡と捉える
ネガティブなUGCが多いと感じるなら、それはあなたのメッセージが、顧客が本当に求めていること(本音)とズレているサインかもしれません。
私たちが過去にご支援した、あるD2Cヘアケアブランドの事例がそれを物語っています。当時、白髪ケア商品の訴求は「悩み」や「コンプレックス」を煽るネガティブなものが業界の常識でした。しかし、実際にターゲット顧客の声を深くヒアリングすると、そのネガティブな訴求自体に嫌悪感を抱いていることが判明したのです。
そこで私たちは、業界の常識とは真逆の「悩みを心地よく解決し、ポジティブな未来を手に入れる」という新しいメッセージを提案。このメッセージを軸に全てのコミュニケーションを設計した結果、市場から熱狂的に受け入れられ、UGCの質は劇的に改善。ローンチ後わずか6ヶ月で約20万人の新規購入者を獲得する成功に繋がりました。
UGCの比率を分析することは、顧客の”本音”と向き合い、コミュニケーションのズレを修正する絶好の機会なのです。
『Creatorスカウト』:特定のペルソナに影響力を持つインフルエンサーをデータに基づいて探し出し、直接アプローチすることで、無駄のない効果的な施策を実現します。

思考法2:データに基づき「熱狂的なファン」を科学的に見つけ出す
ポジティブなUGCを増やしていくためには、そもそもブランドに対して熱量高く語ってくれる「未来のファン」を見つけ出すことが不可欠です。
私たちは、インフルエンサーを選定する際に、フォロワー数などの表面的な指標だけでは判断しません。AIツールを用いて、インフルエンサーのフォロワーの質(興味関心、アクティブ率、ブランド親和性など)をデータで徹底的に分析します。
例えば、こんなことが分かります。
- そのインフルエンサーのフォロワーは、本当にアクティブか?
- フォロワーは、あなたのブランドがターゲットとする年代や性別と一致しているか?
- フォロワーは、あなたの商品のジャンル(例:コスメ)に本当に興味を持っているか?
このようにデータを活用することで、感覚的な選定を排し、本当に熱量高く商品を語ってくれるインフルエンサーと協業することが可能になります。これにより、ポジティブなUGCを”意図的に”生み出し、その連鎖を創り出すことができるのです。
もし、自社のUGC分析やインフルエンサー戦略に課題を感じているなら、一度私たちにご相談ください。データと実績に基づき、あなたのブランドに最適な一手をご提案します。 → 無料相談で自社のUGC戦略を見直してみる
明日からチームで試せる「UGCの質」分析の最初の一歩
UGCの質を分析するといっても、何から始めればいいか分からないかもしれません。まずは、チームでできる簡単なワークから試してみてはいかがでしょうか。
【簡単ワーク】UGCの「質」を分類してみよう
- 直近1ヶ月のUGCを50件抽出する
- それぞれの投稿を「ポジティブ」「ネガティブ」「ニュートラル」の3つに手作業で分類する
- 分類した結果を元に、チームで以下の問いについて話し合ってみる
- 直近のUGCで、最も多かった「ポジティブな声」はどんな内容でしたか?
- 逆に、最も多かった「ネガティブな声」の根本原因は何だと思いますか?
- その「ネガティブ」を解消し、「ポジティブ」を増幅させるために、私たちは明日からどんなメッセージを発信できますか?
この小さな一歩が、顧客との対話を深め、次の戦略を考えるための大きなヒントになるはずです。
あなたのブランドの「熱い思い」を、届けるべき人へ
UGCの比率分析は、単なる効果測定ではありません。それは、作り手であるあなたの「この商品で世の中を良くしたい」という熱い思いが、顧客に正しく届いているかを確認するための”対話”です。
戦術に迷った時こそ、「私たちは誰の、どんな感情を動かしたいのか」という原点に立ち返ること。その想いをビジネスの力に変えるための壁打ち相手として、私たちはいつでもあなたをお待ちしています。
この記事を読んで、自社のUGCともう一度深く向き合いたいと感じたら。あるいは、顧客の本音を捉え、ポジティブな連鎖を生み出す戦略について客観的な視点が必要だと感じたら。ぜひ一度、私たちの無料相談をご活用ください。あなたのブランドの伴走者として、共に成功への道を切り拓きます。