「またブロックされた…」
LINE公式アカウントの通知に、心を痛めていませんか。丹精込めて企画したメッセージが簡単に拒絶される現実に、徒労感を覚える気持ちは痛いほどわかります。あるいは、期待したギフティング施策が一瞬の「いいね」で終わり、売上に繋がらない状況に頭を抱えているかもしれません。
その原因は、製品が悪いからでも、努力が足りないからでもありません。顧客との”関係性の築き方”を、根本から見直すべきサインなのです。
私たちも過去、クライアントの熱い想いを成果に繋げられず、資金ショートを救えなかった痛恨の経験があります。素晴らしい製品が、その価値を届けきる前に市場から消えるやるせなさが、今の私たちの原点です。
だからこそ断言します。小手先のテクニックを変える前に、マーケティングの根幹にある「思考法」を見直すことこそが、現状を打破する唯一の突破口になるのです。
多くの企業が陥る「空振り」の正体。消耗戦を招く2つの思考パターン
熱意ある企業ほど、知らず知らずのうちに資本力のある大手と同じ土俵で戦い、疲弊していく。これは特に化粧品業界で頻繁に見られる光景です。
かつて私たちも、限られた資本のクライアントに対し、潤沢な資本が前提の「当たり前の施策」を提案し、消耗戦に追い込んでしまった苦い経験があります。この経験から学んだのは、「戦う前に、勝てる場所を見つける」ことの重要性でした。
LINEのブロックや効果のないギフティングは、その消耗戦の入り口に過ぎません。なぜ、一般的に「良い」とされる施策が、あなたにとっては「空振り」に終わるのか。その構造的な理由を紐解きます。
パターン1:「友だち=売り込み先」という一方通行の限界
LINEをブロックするユーザーの心理は、驚くほどシンプルです。「広告ばかりでうんざりする」。ただ、それだけです。
多くの企業が「友だち追加=見込み客リスト」と捉え、すぐにセールスを仕掛けてしまいます。これでは信頼関係は築けません。「良いモノを作れば売れるはずだ」というプロダクトアウトの思考と同じで、顧客が「欲しい」という感情を育むプロセスを無視した、最も陥りやすいワナと言えます。
パターン2:「インフルエンサー任せ」という他力本願の落とし穴
「とにかく認知を広げなければ」という焦りから、フォロワー数だけを見てインフルエンサーを選び、商品を渡すだけになっていませんか。
これでは、ブランドの魂である「なぜこの商品が生まれたのか」という物語は伝わりません。結果、その他大勢のPR案件に埋もれ、フォロワーの記憶に残らない「点」の施策で終わってしまいます。実は、フォロワーの質や興味関心をデータで深く分析すれば、この失敗は未然に防げるケースがほとんどなのです。
視点を変えれば突破口は見える。100億円ブランドを育てた2つの思考法
では、どうすればこの消耗戦から抜け出せるのでしょうか。
答えは、新しい戦術を探すことではなく、物事を捉える「視点」を転換することにあります。私たちがクライアントに伴走し、数々の成功を支援する中で確立した、ビジネスの本質を突く2つの思考法を具体的な実績と共にご紹介します。
思考法1:あなたの「本当の顧客」は誰かを見極める
私たちは過去、あるドラッグストアコスメブランドを支援し、3年で売上100億円規模への成長に伴走しました。
この成功の鍵は、業界の常識を疑い、「本当の顧客は誰か?」を再定義したことにあります。一般的に、コスメの顧客は「消費者」ですが、私たちは棚の采配を握る「流通バイヤー」こそが最重要顧客だと捉え直したのです。消費者にいくら話題でも、バイヤーに響かなければ商品は店頭に並ばず、売上は絶対に作れないからです。
これを、あなたのLINE公式アカウントに置き換えてみましょう。あなたのLINEの友だちは、単なる「商品を使う人」でしょうか。
もしかしたら、その中には熱心に情報を広めてくれる「未来のインフルエンサー(広める人)」が隠れているかもしれません。顧客を「お金を払う人」「使う人」「広める人」の3つの視点で捉え直すだけで、届けるべきメッセージは劇的に変わります。
「ブロックさせない」という守りの発想から、「ファンとして、もっと深く関わりたい」と思ってもらえる関係を築くこと。それこそが、最初の突破口になるのです。
思考法2:「ブロックする理由」から最高の戦略を導き出す
D2Cヘアケアブランドの立ち上げを支援し、ローンチ後わずか6ヶ月で約20万人の新規顧客獲得に成功した事例もあります。
この時、私たちは業界の定説だった「悩みを煽るネガティブな訴求」を、社内の推奨に反してでも覆しました。なぜなら、ターゲット顧客へのヒアリングで、その訴求自体に嫌悪感を抱いており、隠された本音は「ポジティブな気持ちで悩みを解決したい」だったからです。
LINEのブロックも同じです。顧客がブロックする時、そこには必ず「不(不満・不安・不便)」が存在します。
- 不満:売り込みのメッセージがしつこい
- 不安:自分に本当に合っている商品なのかわからない
- 不便:情報が多すぎて、自分に必要なものが見つけられない
この「不」こそが、宝の山です。これらを一つひとつ丁寧に解消し、「あなたのブランドと繋がっていると、ポジティブな未来が手に入る」と感じさせる体験を設計すること。それが、どんなテクニックにも勝る最高の戦略に繋がるのです。
明日から試せる、関係構築への「最初の一歩」
思考の転換は、日々の小さな行動から始まります。高価なツールや大規模なキャンペーンは必要ありません。まずはあなたのチームで、既存の資産を見直すことから始めてみましょう。
例えば、お客様から届いた感謝の声や、過去に書いたブログ記事はありませんか。それらを元に、AIツール(例えば「Vrew」など)を使えば、「開発秘話」や「お客様の感動ストーリー」といった動画のシナリオをわずか数分で作成できます。それをLINE VOOMでテスト配信してみる。これだけでも、一方的な売り込みとは全く違う、温かい反応が得られるはずです。
ぜひ、あなたのチームで、以下の問いに対する答えを書き出してみてください。
【ワーク】
- 私たちのLINEの友だちを、「お金を払う人」「使う人」「広める人」のどれに育てていきたいですか?
- その顧客が、私たちのLINEをブロックしたくなるほど感じている、根深い「不満・不安・不便」は何でしょうか?
- 私たちはその「不」を解消し、「友だちでい続けたい」と思ってもらうために、明日からどんな物語を届けられますか?
あなたの熱い想いを、届けるべき人に届けるために
LINEのブロック率という数字の裏には、顧客との関係構築における根深い課題が隠されています。しかし、視点を変え、顧客を「売り込む相手」ではなく「ブランドの物語を共有するパートナー」として捉え直せば、必ず道は拓けます。
私たちが「かけこみ寺」のような存在でありたいと願うのは、企業の規模は小さくとも、製品に込められた「この商品で世の中を良くしたい」という熱い想いこそが、どんな資本力にも勝る最強の武器だと信じているからです。
もし、戦術に迷い、打ち手が空回りしていると感じたら、一度立ち止まって自社の戦略、さらには創業の想いに立ち返ってみてください。そこにこそ、顧客の心を動かし、長く深く愛されるブランドになるための答えが眠っています。
この記事を読んで、自社の顧客との向き合い方をもう一度深く見つめ直したいと感じたら。あるいは、あなたのブランドが持つ熱い想いを、どうすれば伝わる物語にできるのか、客観的な視点が必要だと感じたら。
ぜひ一度、私たちの無料相談をご活用ください。私たちは、単なる外部のコンサルタントではありません。あなたのブランドの価値を心の底から信じ、共に汗をかく「伴走パートナー」です。