「アサインしたインフルエンサーのフォロワーは多いはずなのに、売上への貢献が見えない」
「結局、この施策に意味はあったのだろうか？」
もしあなたが今、「インフルエンサーPRの費用対効果」という問いに明確な答えを出せずにいるのなら。その根本原因は、あなたの努力不足やインフルエンサーの選定ミスではないのかもしれません。
実は、そもそも”戦う場所”そのものを間違えている可能性が非常に高いのです。
かつて私たちにも、素晴らしい製品と情熱を持つクライアント様を、大手との「差別化なき消耗戦」に巻き込み、撤退寸前まで追い込んでしまった痛恨の経験があります。「必ず成功させる」という私たちの信条は、この苦い経験から生まれました。
この記事では、過去の失敗から得た教訓に基づき、費用対効果の議論から抜け出し、あなたのブランドが持つ「熱い思い」を本当に届けるべき人に届けるための、本質的な視点移動の方法をお伝えします。
なぜ多くのインフルエンサーPRは「空振り」に終わるのか
多くの企業が時間と予算を投下しても、インフルエンサーPRが成果に結びつかないのには構造的な理由があります。それは、資本力のある大手企業と同じ土俵で、「差別化なき消耗戦」を無意識に仕掛けてしまっているからです。
パターン1：「良いモノを伝えれば響く」という機能価値の限界
商品の機能や成分の優位性をインフルエンサーに語ってもらう。一見、正しく聞こえるこのアプローチですが、情報が「届く」ことと、顧客の「感情」が動くことの間には大きな隔たりがあります。スペックの優位性を語るだけのコミュニケーションは、より多くの広告費を投下できる大手の独壇場となりがちです。
パターン2：「とにかく認知を広げる」というフォロワー至上主義の罠
フォロワー数という表面的な指標だけでインフルエンサーを選定し、「とにかく広く浅く」認知を狙う戦略は、限られた資本を浪費する典型的な失敗パターンと言えるでしょう。それは、かつて私たちがクライアント様を苦しめてしまった「当たり前のマーケティング」そのものなのです。
視点を変えれば突破口は見える。100億円ブランドを育てた2つの思考法
私たちがクライアント様と結果を出す上で最も大切にしているのは、戦術の精緻化ではありません。戦う前に「勝てる場所」を見つけるための思考のフレームワークです。
『Creatorスカウト』：特定のペルソナに影響力を持つインフルエンサーをデータに基づいて探し出し、直接アプローチすることで、無駄のない効果的な施策を実現します。
思考法1：インフルエンサーの先にいる「真の顧客」は誰か？
私たちはかつて、あるドラッグストアコスメブランドをご支援した際、業界の常識を疑うことから始めました。そして、このビジネスにおける「本当の顧客」を、商品を実際に使う消費者だけでなく、「棚の生殺与奪権を握る、流通バイヤー」であると再定義したのです。
消費者にいくら話題になっても、バイヤーに響かなければ商品は店頭に並ばず、売上は絶対に作れません。
この定義に基づき、私たちはBtoCのプロモーションと並行して、バイヤーの意思決定に影響を与えるためのBtoBマーケティング戦略を最優先で実行。結果として、3年で売上100億円規模への成長をご支援することができました。
インフルエンサーPRも同じです。「お金を払う人（消費者）」「使う人（消費者）」「広める人（インフルエンサー）」、そして彼らに影響を与える「意思決定者（バイヤーやメディアなど）」はそれぞれ誰なのか？この視点を持つだけで、誰に、何を語ってもらうべきか、一点突破の戦略が見えてきます。
思考法2：「買わない理由」にこそ最高の戦略が隠れている
あるD2Cヘアケアブランドのご支援では、業界の常識だった「悩みやコンプレックスを煽るネガティブな訴求」に「NO」を突きつけました。
実際にターゲット顧客の声を深くヒアリングすると、そのネガティブな訴求自体に嫌悪感を抱いていることが判明。顧客が隠していた本音は「ポジティブな気持ちで悩みを解決したい」だったのです。
私たちはそのインサイトに基づき、社内で推奨されていたネガティブ訴求案を却下。「悩みを心地よく解決し、ポジティブな未来を手に入れる」という全く新しいコンセプトを提案しました。
このメッセージを軸に、すべてのコミュニケーションに一貫性を持たせた結果、市場から熱狂的に受け入れられ、ローンチ後わずか半年で約20万人の新規購入者を獲得するに至りました。
インフルエンサーに伝えるべきは、商品のスペックではありません。顧客が抱える「不満・不安・不便」を解消し、どんな「ポジティブな未来」を届けられるか、というストーリーなのです。
あなたのチームで明日から試せる「最初の一歩」
思考のフレームワークは、実践してこそ価値があります。ぜひ、あなたのチームでこの問いに向き合うことから始めてみてください。
あなたのブランドについて、以下の問いに対する答えをチームで書き出してみましょう。
私たちの「本当の顧客（お金を払う人、使う人、広める人、意思決定者）」は、それぞれ具体的に誰ですか？
その顧客が抱える、最も根深い「不満・不安・不便」は何ですか？（機能的な不満だけでなく、感情的な不満も探ってみましょう）
その「不」を解消した先にある「ポジティブな未来」を、私たちはどんな言葉や映像で伝えられますか？
この問いへの答えこそが、次のインフルエンサーPRの強力な「オリエンシート」になります。
さらに、インフルエンサーの選定にAIツールを活用すれば、フォロワーの表面的な数ではなく、彼らの興味関心やフォロワーのアクティブ率といった「質」をデータで分析し、この戦略に最も貢献してくれるパートナーを見つけ出すことも可能です。
ブランドの「熱い思い」を、届けるべき人に届けるために
この記事でお伝えしたかったのは、小手先のテクニックではありません。インフルエンサーPRという戦術を、ビジネス全体を動かす「戦略」へと昇華させるための視点です。
多くの施策は「戦う場所」を間違えている
「本当の顧客」を再定義すれば、一点突破の活路が見える
「買わない理由（不）」の解消こそが、人の心を動かす
作り手の「この商品で世の中を良くしたい」という熱い思いや開発背景にあるストーリーこそが、現代の市場において最も強力な差別化要因です。私たちは、その情熱がビジネスの力になると固く信じています。
もしあなたが、自社の戦略という羅針盤をもう一度見つめ直し、その情熱を届けるべき人へ確実に届けたいと願うなら。ぜひ一度、私たちにご相談ください。私たちは、規模の大小にかかわらず、熱い想いを持つ企業様の「かけこみ寺」のような存在でありたいと願っています。
無料相談のご案内
この記事を読んで、自社のインフルエンサー戦略をもう一度深く見つめ直したいと感じた方へ。思考を整理するための客観的な視点が必要だと感じたら、ぜひ一度、私たちの無料相談をご活用ください。私たちは、あなたのブランドの成功を共に考え、実行する「伴走パートナー」です。
