「Instagramで話題のコスメを参考に、時間をかけて『映える』投稿を頑張っているのに、思うように売上につながらない…」
「フォロワー数の多いインフルエンサーに依頼しても、反応は一過性。ブランドの資産になっている実感がない…」
「これだけ素晴らしい製品なのに、なぜか売れない…」
もし今、あなたがSNSでの成果が見えず、このような悩みを抱えているなら。その苦しさは、決してあなたの努力不足が原因ではありません。
私たちもかつて、クライアントの熱い想いに応えようとするあまり、資本力のある大手との消耗戦の末に撤退していく姿を目の当たりにした、痛恨の経験があります。
その成果が出ない根本的な原因は、日々の投稿内容や広告クリエイティブといった「戦術」にあるのではありません。その手前にある「戦う場所」そのものを間違えている可能性が高いのです。
この記事では、多くのコスメブランドがSNSマーケティングでつまずく構造的な問題を解き明かします。そして、私たちが数々の失敗の末にたどり着いた、売上を劇的に変えるための本質的なアプローチをご紹介します。
なぜ真面目な担当者ほどSNSマーケティングで疲弊するのか?
熱心な担当者ほど、SNSマーケティングで成果を出せずに疲弊してしまう。その背景には、業界特有の「良かれと思って」やってしまいがちな、2つの失敗パターンが存在します。
失敗パターン1:「良いモノを作れば売れる」という思い込み
「この成分はこんなにすごい」「この技術は他社には真似できない」。作り手の熱い想いは、ブランドにとって最も強力な武器です。しかし、その想いが強すぎるあまり、顧客が本当に求めていることとズレてしまうケースは少なくありません。
私たちが伝えたい「商品のすごさ」と、顧客が抱える悩み。そして商品購入を通じて得たい「感情」。この2つが結びつかなければ、その熱意は一方的な独りよがりに終わってしまいます。SNS上でどれだけ美しい写真を投稿しても、それが顧客の心に響く「自分ごと」として翻訳されなければ、購入には至らないのです。
失敗パターン2:「とにかく認知度」が目的化した広告戦略
「まずは知ってもらわないと始まらない」という焦りから、効果検証が曖昧なまま施策を打っていないでしょうか。例えば、フォロワー数の多さだけでインフルエンサーを選んだり、Web広告に多額の費用を投下したりするケースです。
過去、私たちにも苦い経験があります。限られた資本のクライアントに対し、潤沢な資金を前提とした「当たり前のマーケティング」を提案してしまいました。結果的に大手との消耗戦に巻き込み、撤退に追い込んでしまったのです。
認知の「量」だけを追い求め、大手と同じ土俵で戦うことは、特に立ち上げ期のブランドにとっては賢明ではありません。大切なのは、不特定多数に広く浅く届けることではなく、届けるべき相手に、深く刺さるメッセージを設計することなのです。
消耗戦から抜け出す、たった2つの問い
では、どうすればこの消耗戦から抜け出せるのでしょうか。
私たちが数々の成功と失敗を通じてたどり着いた結論は、驚くほどシンプルです。
それは、
「本当の顧客は誰か?」
「顧客の本音(買わない理由)は何か?」
という2つの問いを徹底的に深掘りすること。そして、そこから導き出された「差別化された価値」を、あらゆるコミュニケーションの軸に据えることです。
小手先のテクニックを追いかける前に、まず「戦う場所」を正しく見定める。これこそが、コスメのSNSマーケティングで成功するための唯一の鍵だと断言します。
『Creatorスカウト』:特定のペルソナに影響力を持つインフルエンサーをデータに基づいて探し出し、直接アプローチすることで、無駄のない効果的な施策を実現します。

事例1:本当の顧客は「消費者」ではなかった? (3年で売上100億円)
ドラッグストアで展開するあるコスメブランドを支援した際、私たちは3年で売上100億円規模への成長に貢献しました。
当初、私たちも他のブランドと同じように、消費者向けのSNSプロモーションに注力していました。しかしある時、業界の常識を疑い、ビジネスモデルの急所を分析し直したのです。その結果、棚の生殺与奪権、つまり売上の生命線を握っている最重要顧客は、消費者ではなく「流通バイヤー」であると再定義しました。
消費者の間で「話題になる」ことと、バイヤーが「この商品を棚に置きたい」と思う理由は全く異なります。私たちは戦略を大きく転換。BtoCの施策と並行し、バイヤーの意思決定に影響を与えるためのBtoBマーケティングを最優先で実行しました。この視点の転換が、売上を劇的に変える突破口となったのです。
あなたのビジネスにおいて、「お金を払う人」「商品を使う人」「商品を広める人」は、本当に同じ人物でしょうか?
事例2:「買わない理由」にこそ最大のヒントが眠る (半年で20万人の新規顧客獲得)
D2Cのヘアケアブランド立ち上げをご支援した際には、ローンチからわずか半年で約20万人の新規顧客を獲得しました。
当時、白髪ケア市場では「悩み」や「コンプレックス」を煽るネガティブな訴求が効果的、というのが業界の常識でした。しかし、私たちがターゲット顧客の声を深く、繰り返しヒアリングすると、そのネガティブな訴求自体に強い嫌悪感を抱いていることが判明したのです。
彼女たちの隠された本音は、「後ろめたい気持ちではなく、ポジティブな気持ちで悩みを解決したい」という切実な願いでした。私たちは社内で推奨されていた訴求案を却下し、業界の常識に「NO」を突きつけます。そして、「悩みを心地よく解決し、ポジティブな未来を手に入れる」という、全く新しいブランドポジションを提案しました。
このメッセージを軸に、クリエイティブから広告文まで、すべてのコミュニケーションに鉄の意志で一貫性を持たせた結果、市場から熱狂的に受け入れられました。顧客がまだ言葉にできていない「不満・不安・不便」にこそ、ビジネスを飛躍させる最大のヒントが眠っています。
明日から実践できる、ブランドの本質を掘り下げる3つの問い
ここまで読んで、「視点を変える重要性は分かったけれど、具体的に何から始めればいいのか」と感じているかもしれません。そこで、すぐにあなたのチームで試せる具体的なアクションをご紹介します。
ぜひ、チームメンバーや関係者と一緒に、以下の問いに対する答えを付箋などに書き出してみてください。
- 私たちの「本当の顧客(お金を払う人、使う人、広める人)」は、それぞれ具体的にどんな人か?
- その顧客が、私たちの商品カテゴリーに対して抱えている、最も根深い「不満・不安・不便」は何か?
- 私たちは、その「不」を解消するために、明日からどんな情報を、どんな言葉で届けられるか?
このワークを行うだけでも、これまで見えていなかった課題や、新しいコミュニケーションの切り口が発見できるはずです。自社の戦略をもう一度深く見つめ直したい、あるいは思考を整理するための客観的な視点が必要だと感じたら。ぜひ一度、私たちの無料相談をご活用ください。
あなたのブランドが持つ「熱い想い」を、届けるべき人に届けるために
本記事でお伝えしたかったのは、小手先のSNSテクニックではありません。自社のビジネスと顧客をもう一度深く見つめ直し、揺るぎない価値を見つけ出すための「思考の視点」です。
作り手の「ストーリー」や「熱い想い」こそが、最も強力な差別化要因になると、私たちは心から信じています。
「素晴らしい製品と情熱はある。しかし、どうすればそれを届けたい人に届けられるのか、道に迷っている」
もしあなたが今そう感じているのなら、ぜひ一度私たちにお声がけください。私たちは、かつて大手代理店に相手にされなかったような、熱い想いを持つ企業様の「かけこみ寺」として、その情熱がビジネスとして花開くまで、共に走り続ける伴走パートナーです。
あなたのブランドの挑戦を、私たちが全力でサポートします。下のボタンからお気軽にご相談ください。